Ю ・ 12ガッツ!! 12ガッツ!! 12ガッツ!! ・ Ю

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99年12月19日(日)

けんぴーがんばってんだぴょーん!!


 新宿のビデオレンタル、TSUTAYAに入会しました。こないだ都内のTSUTAYAにはいろんなビデオがそろってるらしいよって噂を聞いて、どこの店に入会しようかなあと迷ってたんだーってなこと書いたけど、いろいろ考えて結局新宿店に決めました。
 紀伊国屋書店のハス向かいにあるTSUTAYA新宿店は、ビルごとまるまるTSUTAYAで、試しにちょこっと入ってみたら、ずっとまえ8チャンの「ミッドナイト・アート・シアター」で解説してた映画評論家のひとがうろちょろビデオ物色してたり、たしかだれかの映画解説の本の表紙も描いてた月イチでドラッグクイーンに変身したりもするイラストレーターのひとが歩いていたりしたので、きっとそのテの通といわれるひとびとが利用しているTSUTAYAならまず間違いないだろうと、新宿店に決めたのでした。
 とはいえこの寒風吹きすさぶなか、スクーターで新宿まで週イチで通うのはけっこうたいへん。せっかく遠くまで遠征するんだからそこらへんにはない珍しいもの借りたいし、そしたら借りたビデオがスカだったりするなんてことも充分有り得ることだしさ、近くのTSUTAYAならとりあえずは安心して楽しめるハリウッド映画だったら揃ってるわけだから、なんだかわざわざ新宿まで片道1時間以上スクーター飛ばすのは勇気のいる冒険のような気分になっちゃってね、何度か通ったけれども、いまはちょっとお休みしています。

 そうそう、エリック・ロメールの「緑の光線」っていう映画があるんです。「海底2万マイル」や「80日間世界一周」などを書いたジュール・ベルヌの同名の短編小説をモチーフに、ロメールらしい淡々とした恋愛コントにしたものらしいんだけど(って書くとナンジャソリャと思われるでしょうが観ればわかる)、とっても面白いらしくって、まえまえから観たかったんです。それTSUTAYA新宿店に置いてあったから借りてきて観たの。そしたらこの映画、なんだかすごくびっくりした。
 数年まえに、A学生新聞社のNさん(そうだそうだ、Nさんこないだ名前出してーって言ってたから書いて大丈夫なんだったっけ、朝日学生新聞社の布谷昌巳氏)に「緑の光線は、ビデオでは再現できてないから、映画館で観なくちゃいけない映画らしいよー」っていわれていたのだけど、エリック・ロメールなんてなかなか映画館にかからない映画っぽいし、ぼくはそういう画面の迫力とか臨場感なんて問題にはこだわらない性格だから「スター・ウォーズ」の新作だってビデオになったら観ようと思っているくらいだし、それならましてや一歩間違えたら自主制作映画か家庭用8ミリ記録映画のようにもみえてしまうロメールの映画などはまったくもってビデオで充分って思ってたの。ひとりで部屋にこもって、くまちゃんの模様がついた枕抱いてチョコ食べながらリラックスしてビデオに浸るなんてのは、映画館とはまた違った快感があるもんだもんねえ。エスクァイア日本版99年4月増刊号の「ヌーヴェルヴァーグ」によると、「緑の光線」について「撮影スタッフはほとんど素人に近い女性3人というミニマムな編成を組み、フランスのリゾート各地を巡ったという。」って書いてあるくらいだから、映像はめちゃめちゃショボいに決まってる。このショボショボさ加減がぼくは好きなのだけど、ビデオだろうがスクリーンだろうがショボショボ体験には変わりなかろうと布谷氏の言ってたことについて深く考えることせず、タカをくくっていたわけなんです。
 で、「緑の光線」なんだけどさ、案の定コジマ好みのシロウト臭いといっちゃあ失礼かもしれないけれど、なんだかショボショボした画面とめちゃめちゃ愉快(?)で切ないストーリー展開で、うちのテレビモニターの画面でも充分笑えて楽しめる映画だったんですよ(やっぱりロメール大好きー!!)。なんだー、全然オッケーじゃんって思ってコジマも安心しきって観ていたの途中まではね。だけど、最後のさいご、エンディングのちょっと手前のところで、あれれっ、これはどういうことーっ!? ってなってしまった。
 これ、説明してしまうと、これから観ようと思ってらっしゃるひとにはご迷惑でしょうから、あんまり言えないのだけれど、この映画、ビデオで観るのとスクリーンで観るのとで、もしかして結末が違う!? いや、なにも編集されているとか、そういうことじゃない。フィルムで作られたものをそのまま通常の手段でビデオに直しているだけなんだろうけれども、なんと説明したらよいものか。この映画、たぶんスクリーンで観るとハッピー・エンドなんだろうなあ。ぼくはそう思うし、そう信じたい。にもかかわらず、ビデオで観るかぎりにおいてはこの映画、アン・ハッピー・エンドのようにしか見えないのだ。何度巻きもどししても、コマ送りにしても、結末はハッピー・エンドじゃないんだよ。えーっ!? なんというショボショボ映像マジック!! 映画館でしか絶対成立しない映画っていうのがこんなところにあったなんて。
 なんだかすっごく面白くてぼく好みの映画だったのに、最後まで観終わってがっくりきてしまった。映画館でみたらきっととてもシアワセな気持ちになれたんだろうなあ。おそらくたぶん大きなスクリーンだったらきっときっと‥。ああ、世界中のひとたちがこの映画をビデオで観て、ぼくみたいにがっくりきてくれたらとっても嬉しいなあ。そうしたら少しはぼくも救われた気持ちになれそうだ‥。


 12月は毎年仕事でバタバタしてまして、こないだの大腰痛もずいぶん治ってきたのにプールに行く余裕もないもんだから、それがもとでさらに出っ張ってきたお腹がまた腰痛をうながすという悪循環。まあ12月だからしょうがない。犬や猫だって、来るべき寒冷前線にそなえて体毛を肥やす時期でもあるのだから、考えてみればこれは自然なこと、つまりこれは天然、これはナチュラル、これは無為、これは健康、これは有象無象、これはダイレクト、これは年中行事、これはイージーゴーイング、これは場当たり、これは森羅万象、これは万有引力、これはホルモン、これは蛋白質、これは体脂肪、これはプリミティブ、これは原生林、これは前人未到、これは肥沃な平野、これは持ちつ持たれつ、これは国宝、これはジャンボリー、これはモデラート・カンタービレなのである。悩むようなことではないのだ。
 ということで問題は解決した。


 最近の仕事以外の出来事。
 平日のM美術大学に、デザイン科の学生Aさんに案内してもらって潜入してきました。ちょうど大学はお昼の時間で、学食に行くと空いた席がなかなかみつからないほど学生がいっぱい。30半ばのこのおっちゃんもちょっと学生になった気分でハヤシライスを食べてきました。これで300円なら安いなあ。
 そのほか秘密の地下施設(?)などもちょっとだけ案内してもらって、ついでに学生になりすます方法なども現役大学生から直々に伝授してもらったので、もしかしてこれで学園内部での地下活動も可能かっ!? 007はコジマの番号。ボンドガールが欲しいなあ。


 こないだ谷岡ヤスジの追悼作品集「天才の証明」(実業之日本社刊)っていう本が出たから買ってきて、いまひさびさに谷岡ワールドにハマっているところです。高校生のころかなあ、友だちから谷岡ヤスジの「ベロベーマン」とか「アニマルどー」とか借りて読んでて、バター犬とかタゴとか馬のアオとかチクリシェンシェーとか、おかしなキャラクターがたくさん出てきて、なんだかむちゃくちゃ好きだったんだけど、結局じぶんで買ったのは今回の「天才の証明」がはじめてってことになるんだなぼくの場合。やでうでしや。
 谷岡ヤスジのまんがは、何回読んでも面白くて、こうなるなーとわかっていても面白い。おんなじネタの使い回しでも面白い。それがシツコクシツコク続いてもまだ面白い。にもかかわらず、ぼくがいままで1冊も買わなかったのはなんでだろうなあなんてハナシをこのあいだ、「ベロベーマン」とか「アニマルどー」を貸してくれたその友だちと電話で話していたのだ。やーでうでしや。
 当時のぼくは、いくら谷岡ヤスジがめちゃめちゃ大好きでも、やっぱりおカネを出して本を買うからには、もうちょっとナニカが欲しかったんだろうなあ、なんてハナシをしていたんだけど、この「ナニカ」っていったいなんなんだろう。
 昔のぼくは、ソロピアノのCDを買うことがずっとできなかった。ひとりのひとがただピアノひいてるだけのCDでも、たくさんのひとがたくさんの楽器を鳴らしてさらに多重録音までして出来ているCDと結局同じ値段ならば、たくさんのほうがそれだけトクした気になっちゃうでしょ。
 同じように、初期のポリスの音楽が大好きだったけど、じぶんでCDを買うまでには至らなかったのは、音がスカスカだったからかな。
 谷岡ヤスジのまんがはとてもスカスカでスキマだらけ。セロニアス・モンクのピアノソロも突とつとスキマだらけ。初期のポリスもスキマだらけ。その他いろいろスキマだらけということが原因で、じつに魅力的だったにもかかわらず当時のコジマの購買欲をそそることにしくじったものは数知れない。
 だけど、文学なんかでも行間を読むなんていわれるように、ほんとうはスキマこそが魅力だったりもする。スキマに読む側の想像力が入り込んで、それでただ本を読むだけでなく、読者もそこに参加していくことができるようになる。何回読んでも面白い本ってのは、たいてい読者が参加できるスキマがたくさん用意されてるもので、読者の気分や成長にしたがって、スキマ部分が読者の姿を鏡に写すように変化していって、ひととともに作品も成長していくことができるようになっているのだろうなあと思うわけ。
 でも、こういうスキマを喜ぶのは、基本的にはオトナな態度だなあとも思う。
 想像力のボキャブラリーがまだすくないコドモにとっては、想像力を駆使しないと読めない小説よりも、なんでも絵説きしてあるまんがのほうが面白かったりするものだし、最近のまんがはいろいろだけど、昔のまんがはコドモ向けとオトナ向けと、随分雰囲気が違っていたような気がする。コドモ向けは四角四面の丁寧な絵で、オトナ向けのはスキマだらけの水墨画みたいな印象だった。勿論いまでもそういうのはたくさんあるけれど。
 だからまあそんなようなことつらつらと考えながら再び谷岡ヤスジのまんがを開いてみると、バター犬は花っぺの股のあいだにおなじみのバターをヌリュヌリュしてナメナメしてるし、チクリシェンシェーも子分を引き連れ相変わらず女の子押したおしてチクチクやってる。やーでうでしや。なんだかこんなところでヘリクツ書いてるじぶんがばかみたいに思えてきた。ぼくはやっぱりなんか間違えているのかも知れないなあ。もういいや、どうでもいい気分になってきたからそろそろ寝よう(笑)。相変わらず中途半端な文章だなあ。またねー。



99年12月31日(金)

ミレニアム!!


 やあみんな、ミレニアム!!


 先日のだらだら書きのタイトルがなんだかとっても恥ずかしくてさ、早くつぎを更新して恥の上塗りしなくっちゃと思ってたんだけど、やっぱ12月はなんだかあわただしくてまたまた遅れてしまいました。
 こないだのタイトルは仮のタイトルとしてとりあえず書いといたのを、あとで直そうと思ってたら忘れてそのまま更新してしまったの。よくあるんだな、そういうことは。ああ恥ずかしかった。


 そうそう、ニフティの掲示板は終了しました。書いてくれたみなさんありがとう。まだアットニフティの会員のままで、脱会してないけど、近々やめるつもりです。

 それからフフノカノワの掲示板の終盤戦で大活躍してくれたひそかさんがこないだコジマにくれたメールで、「ミレニアム!!」ってご挨拶されてて、それがとても意味不明で気に入りました。コジマもしばらく「ミレニアム!!」で行ってみたい。よくわからないけどカッコいい。

 (年末年始のご挨拶はご遠慮させていただきます)


 こないだのクリスマス、めぐりめぐってコジマのとこに来たサンタクロースはとっても気前のいいひとでした。やっぱりニコライじいさんはこうでなくっちゃ。
 まずは某学生新聞社の忘年会のビンゴで当てて、なぜかバーバリーのマフラーいただきました。ありがとうございます。しかしこれがコジマにはちっとも似合いません。ぼくの身近に誰か似合いそうなひといないかなあ。
 それから、近所の猫印ブランドからは小さな手作りクリスマスツリーキットをいただきました。ゴールドクレストの木をいろいろな付属品で飾りたててクリスマスツリーにしていくんだけど、これすごく気に入ってます。まだ飾ってある。そういえば雛人形はいつまでも飾っとくと嫁に行けなくなるとかいうけれど、クリスマスツリーは関係ないよね。もしかして嫁が来なくなる?
 あと、親戚のサンタクロースからは鑑賞用の不思議なきのこをいただきました。あくまでこれは鑑賞用。鑑賞用なんですってば。
 と、それからもう一件親戚のサンタクロースから、ポケモン銀版を貸していただきました。貸してくれるだけってところがうちに来るサンタらしいでしょ。終わったら返さなくちゃいけないの。だからいままたコジマはポケモン頑張っているところ。サンタもいろいろたいへんなんだろうな。
 サンタさんいろいろありがとうございました。


 こないだひさしぶりに更新して追加したポストカードのコーナーなんだけどさ、そのなかの「赤い鳥と滝」の絵がじつはじぶんではこのホームページ始まって以来のいちばん気に入ってる絵なんだけど、なんだかまわりのひとたちはそういうコジマの思いに共感してくれないの。じぶんでは「やったーサイコー傑作だーっ」なんて思ってたんだけどな。
 って作者がこういうこと書くのはよくないかな。絵でもなんでもたいていのものはそうだけど、かいたひとの気持ちなんてのはどうでもよくってさ、観るひと本人があくまでも主観的にどう思ってくれるかの問題のほうが大切でしょ。作者のコトバなんて蛇足以外のなにものでもない。実際かき終わっちゃえば立場的には作者だって観るひととかわらないんだけど、作者でーすなんつって感想いっちゃうもんだからお客さんにはそれだけ紛らわしくなる。作者に向かって「あなたの自作の解釈は間違っている!!」なーんて読者が言ったって、全然オッケーな問題なんだけどな。
 まあいいやそんなこた。

 そういえばこういう絵のこと、イラストってみんないってるけど、この「イラスト(イラストレーション)」ってコトバ、どういう意味なんだろうってふと思った。ぼくはずっとクライアントから注文を受けてかいた商売目的の絵のことをイラストレーションっていうのかと思ってたんだけど、世の中必ずしもそういう意味合いで使われているわけではなさそうだし‥‥。まんが関係のひとたちのかいた絵なんかを絵画芸術方面のひとたちのそれと区別するために、なんとなく芸術的な絵より軽いもの(?)っていうような意味合いで使われていることが多い印象を受けるなあ。
 うちにある「広辞苑第二版」にはイラストレーションを指して「さし絵。図解。」って書いてある。それだけじゃちょっと意味が古いし少ない気がする(第二版だからね)。最新の版ではもっと違う書きかたしているのかな。これだけの説明ではいまはちょっと通用しなさそうだもんね。
 ぼくのなかでは、注文受けてかいた絵と自発的にかいた絵っていうのが、できあがりは似ているんだけど、なんだか全然違う印象があってさ、じつはお互い目指す方向が正反対なんじゃないかなっていう気がしてるんです。どういうふうに正反対かっていうことはちょっと文章にするのむずかしいからそのうち考えるとして‥‥。だからそんなわけでさ、自発的にかいたのが「絵」で、注文に応じてかいたのが「イラストレーション」なんじゃないかとずっと思ってたの。でもやっぱかならずしもそうではないんだな。これはむずかしいから時間のあるときにまた考えよう。


 そういえば、ずっとまえコジマがまんが同人誌やっていたころなんだけど、まんが家、山川直人氏のつくる「がらん」という本で、いっしょにかいてた渡辺博光くんがいつのまにかホームページをつくっていた。うちよりも素早くまんがが読めるページでいいなあ。気の抜けた思索家の世界は相変わらずでグーです。
 ってことで渡辺くんとこにいったら、そこから山川黄予美さんのホームページも発見しちゃいました。コジマケンがラッキーカウンタ100番GETしたから勝手にリンクだ。
 なんだかいつのまにかみんないろいろやってんだなー。ちょっと懐かしくなりつつ。創作まんが同人誌即売会でコミティアっていうのがあるんだけれど、じつはコジマは初代スタッフのひとりだったんだよっていうこと覚えてるひとどれだけいるかなー(笑)。


 いやはやまったくホームページってのは恐ろしいものです。どこで誰がみてくれてんだかさっぱりわからない。ノリの合ういつものともだち方面に観られてるだけならどんどん観てみてみまくってーなんだけど、近所のおばさん観てるってウワサもちらほらあったり、あらあら賢ちゃんこんなところでなにしてんのかしらー、ほらあーた、こっち来てこれ観てごらんなさいよ、小島さんちの賢ちゃんって覚えてる? そうそう、いっつも自分ちの屋根にのぼってボーッとしてたへんな子よ、ああ、賢ちゃんか、そうかホームページつくったのかー、賢ちゃんもなかなかナウいとこあんだなー、こりゃこりゃ回覧板でもまわして隣近所にいっぱつ宣伝してあげようかなー、そりゃあーたグッドアイデアだわ、さぞかし賢ちゃんも喜ぶことでしょうねーさっそく回してまわしてまわしまくりましょう!! なーんてことにでもなったら、いったいぼくはどうしたらいいんだろう!!??
 という妄想にときどき悩まされます。本人は親子で楽しめるほのぼの癒し系まんが家兼イラストレーターのつもりなんだがな(うそ)。


 じゃまた。ミレニアム!!


もどります。